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水の反射とヨガ

​SCD・MSAについて

SCD(脊髄小脳変性症)とは

 脊髄小脳変性症(SCD:spinocerebellar degeneration)とは、運動失調を呈する神経変性疾患の総称です。遺伝性と孤発性に分類され、SCD全体の約29%が遺伝性(常染色体優性遺伝性:27%、常染色体劣性遺伝性:1.8%)とされています。孤発性は約70%を占めるとされています。小脳を中心とし脳幹、脊髄あるいは大脳が障害されるため、運動失調のほか、パーキンソニズム、錐体路障害、末梢神経障害、認知症などのさまざまな症候を呈します。具体的には、歩行、動作、話し方がぎこちなく不正確になります。

MSA(多系統萎縮症)とは

 多系統萎縮症(MSA:multiple system atrophy)とは、孤発性のSCDであり、オリーブ橋小脳変性症(OPCA)、シャイ・ドレーガー症候群(SDS)、線条体黒質変性症(SND)の3疾患を包括する名称とされています。これら3疾患は、発病期に強く障害される部位が異なります。発病期に小脳系が障害されるOPCAは小脳性運動失調、脊髄中間外側柱が障害されるSDSは起立性低血圧などの自律神経障害、黒質線条体系が障害されるSNDはパーキンソニズムが初期症状となります。進行につれて病変が拡大し、症候も重複してくるものと理解されています。

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